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予防について
3DS
3DSについて
「3DS」とは虫歯を根本から予防する治療法です。
3DSとは、3つのDすなわち Dental Drug Delivery System(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)の略称です。むし歯の主な原因菌であるミュータンス菌や、歯槽膿漏の原因菌である歯周病菌を、直接除菌する根本的な最新の予防法です。
1.唾液検査
まずは、唾液を採取し、お口の中のむし歯菌や歯周病菌の種類や数を調べ、患者様のリスクを把握します。当院では、お口の中全体にどのくらいの割合でむし歯菌・歯周病菌が占めているかがわかる(株)ビー・エム・エル(BML)の検査システムを採用しております。ガムベースを5分間噛み、ロート付きの試験管で唾液を採取します。採取した唾液にpH試験紙をつけ、pHを測定。 チェックシートにpH判定結果や問診・調査事項を記入後、(株)ビー・エム・エルに送付します。
2.診療方針の説明
送られてきた検査の結果を患者様に十分に説明を行ない、理解と同意を得た上で、3DSによる除菌を決定します。
3.ドラッグ・リテーナーの作製
患者様個人の歯列の形態に合わせたトレーを作製します。
4.バイオフィルムの染色
歯面に強固に付着している細菌の膜(バイオフィルム)を、染色液を使って染め出します。染色は、3DSを行なううえで極めて重要なステップです。
5.バイオフィルムの物理的除去
バイオフィルムの除去には、超音波器具を使い、歯科衛生士が徹底的に清掃を行ないます。
6.バイオフィルムの化学的除去
歯列にトレーと薬剤を用いて、化学的な除菌を行ないます。
7.ホームケア
このあと約一週間、家庭でのケアを行ないます。
- 歯ブラシはむし歯菌の再感染防止のため、新しいものと交換します。
- 3DS実施の直後は糖類を控えるようにします。
- 1日1回、寝る前のブラッシング後、トレーにホームケア用の除菌ペーストを入れて5〜10分間装着し、歯の表面に作用させます。これを次の3DSまで、毎日行ないます。
8.再度3DS
約一週間後に再度、機械的・化学的除菌処置を実施します。
9.メンテナンス
約3〜6ヶ月の間隔で定期検査を行ない、PMTCなどによるメンテナンスを継続します。また、年一回の唾液検査をおすすめします。
子どもをむし歯から守るために
むし歯の原因になる「ミュータンス菌」は、まだ歯の生えていない赤ちゃんのお口の中には存在しません(赤ちゃんのお口の中は無菌)。そのミュータンス菌はツルツルした歯の面にだけくっつく性質を持っているため、歯が生えるまではくっつく場所がないのです。この細菌は、赤ちゃんに一番近い人(主な保育者)から感染します。赤ちゃんとのスキンシップや、同じスプーンや箸を使った食事などで、唾液を介して感染するのです。
特にWindows of infectivity (感染の窓)と呼ばれる生後19ヶ月から31ヶ月の間、1歳から2歳半くらいの時期に感染することが多いといわれます。ただし、感染を恐れてスキンシップまで避けるというのは大間違い。感染に対して神経質になり過ぎるのではなく、まずは子どもの周囲の人たちが自分のお口のケアをしっかりと行うことが大切です。保護者の方が自分のお口の健康を大切にすることが、そのまま子どものお口の健康を保つことにつながるのです。
Windows of infectivity (感染の窓)
また、お母さんのお口の中の善玉菌をお子さんに移してあげることも必要です。善玉菌が住み着くと、今度はむし歯菌が感染しにくくなります。要は、感染しやすいといわれる1歳から2歳半の時期にむし歯菌がうつらなければ、その後唾液と接触したとしてもむし歯になりにくいのです。
では、そこでの問題はお母さん(主な保育者)のお口の中のむし歯菌の量です。妊娠中は不規則な生活や偏食、つわりなどでどうしてもお口の中の衛生状態がおろそかになり、お口の中が汚れやすい状態になります。また、治していないむし歯があると、さらにミュータンス菌が増加してしまいます。家族みんなで、子どものお口の健康を考えましょう。
感染を防ぐためにできること
- 妊娠中から、家族そろって、歯科医院で定期健診を受け、むし歯リスクを下げる。
- 子どもの周囲の人に未治療のむし歯がある場合はきちんと治療する。
- 子どもの周囲の人がお口を清潔に保つ。
- 3DSなどの除菌治療を受けるとさらに良い。
- 関連情報
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- 唾液検査を知ろう! → 予防について/唾液検査
- バイオフィルムってなに? → 予防について/プロフェッショナルクリーニング
- 治療費はどのくらいかかるの? → 治療費について(予防歯科メニュー)